汚染される世田谷

 大変だ! 汚染がじわじわと広がっているんだってよ。しかも、「市民生活の場」に!


薬物密売:イラン人、学校近くの住宅街で白昼 - 毎日jp(毎日新聞)

 市民の生活の場で公然と覚せい剤大麻を取引−−。東京でも有数の住宅地である世田谷区を舞台に、薬物を密売していたイラン人の男が摘発された。客は会社員やOL。薬物汚染がじわじわと市民生活の場に広がっている実態が明らかになった。【精神医療取材班】


 ああ、なんてこった。「東京でも有数の住宅地である世田谷区」が汚染されてしまうなんて。足立区でもなく江戸川区でもなく、「東京でも有数の住宅地である世田谷区」がじわじわ汚染されつつあるのだよ! そりゃ大変だ。
 さて、この記事、なんか支離滅裂なのだ。上では「市民の生活の場で公然と覚せい剤大麻を取引」と書いているが、記事の後段ではこう記されている。

 現場の近くには小学校と中学校が1校ずつあり、取引場所は子どもたちや主婦が利用する生活道路になっている。××××容疑者*1は現場に自転車で現れて客と合流。無言のまま目線で合図して、人目に付きにくい路地に入り、木の陰に隠れるようにして薬物を売買していた。
 全国の麻薬取締部が06年に検挙したイラン人は32人と5年前(12人)の2.6倍に急増している。麻薬取締部は「摘発を恐れ、繁華街から密売拠点を移している可能性がある一方で、市民の間に薬物が広がっていることも背景にある」と指摘している。


 ぜんぜん「公然と」なんかしてないではないか。ちゃんと《こっそり》やってるじゃないの。
 それにしても、なんですかこの記事。まるでワルイのは全部「イラン人」で、彼らの売った薬物がひとりでに「市民の間に」広がったかのような書き方だね。国家の法なんて私は知ったこっちゃないが、日本国の刑法では禁止薬物を「売る」のも「使う」のも、どちらも「犯罪」ってことになってるんじゃなかったか。なのに、麻薬を売るほうは「イラン人」で、買って使用するほうは「市民」なんだってさ。なるほど、「イラン人」が無垢な「市民」様を汚染している、と。しかも、「東京でも有数の住宅地である世田谷区」にお住まいの「市民」様をだ。
 「イラン人」の売人はしっかり実名報道されているのに、買った側の「市民」は匿名っていうのも変な話だ。
 市民なんぞクソくらえ、だな。市民どもはシャブでもくらってみんなジャンキーになりやがれ。

*1:記事本文では容疑者名が記されていましたが、引用にあたっては、容疑者の人権に配慮してみたりなんかして、伏せ字にしてみたりなんかしてみました。

追記

 上の記事、添削してやった。ちっとは政治的に正しくなったかな。赤字は、私が書き足したもの。

 市民生活の場で市民も市民でない人もともに生活している場所で公然とつつましく覚せい剤大麻を取引−−。東京でも有数の住宅地である世田谷区を舞台に、薬物を密売していたイラン人の男が摘発された。客は日本人の会社員や日本人のOL。薬物汚染がじわじわと市民生活の場に広がっている違法薬物に手を出す日本人犯罪者が増加している実態が明らかになった。【精神医療取材班】
 覚せい剤取締法違反や大麻取締法違反容疑で関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕されたのは、イラン国籍の×××・×××・×××容疑者(36)=同区桜1。
 調べによると、×××容疑者は1月15日午後4時半ごろ、自宅アパートの押し入れなどに、覚せい剤約72.3グラムやコカイン約15グラム、大麻約124.4グラムなど5種類の違法薬物(末端価格計約710万円)を販売目的で隠し持っていた疑い。売上金の一部と見られる現金約100万円も見つかった。
 ×××容疑者は昨年11月、フランス人名義の偽造独立系(非官営)組織発行のパスポートを使って入国。外国人ばかりが住むアパート人種的偏見の根強い世田谷区ではまれな、「外国人」の入居を拒否しないアパートに入居し、直後から、近くの路上で、覚せい剤大麻などの密売を始めた。情報を得た麻薬取締部は捜査を開始。×××容疑者と複数の客が接触する様子をビデオカメラで撮影し、薬物の売買を確認した。
 捜査の結果、(1)「ボス」と呼ばれるイラン人が、携帯電話で客(主に日本人)と売買交渉(2)ボスが受け渡しの日時を携帯電話で指示(3)×××容疑者が路上で客と接触−−との手口が判明。ボスは×××容疑者のため、薬物の保管先と住居を兼ねたアパートを用意していた。自宅で押収したメモから約1カ月で約2000万円を売り上げていたことも分かった。国家の捜査機関のつねとして人種的偏見に深くとらわれた麻薬取締部は背後に大がかりなイラン人密売組織があるとみて追及している。同取締部のスポークスマンは、日本人をおもな構成員とする暴力団のかかわりには言及しなかった。
 世田谷区にかぎらず人が住んでいるところはたいていどこだってそうなのだが、現場の近くには小学校と中学校が1校ずつあり、取引場所は子どもたちや主婦が利用する生活道路になっている。×××容疑者は現場に自転車で現れて客と合流。無言のまま目線で合図して、人目に付きにくい路地に入り、木の陰に隠れるようにして薬物を売買していた。
 全国の麻薬取締部が06年に検挙したイラン人は32人と5年前(12人)の2.6倍に急増している。麻薬取締部は「摘発を恐れ、繁華街から密売拠点を移している可能性がある一方で、市民の間に薬物が広がっていることも背景にある」と指摘しているが、人種的偏見の強い捜査員が「外国人」に見える住民を重点的に取り締まっていることもイラン人検挙数増加の背景にあるもようだ