少年にとって労働は愉快である


 スーパー・マーケットで、高校生くらいの男の子の店員が、あれなんていうのだろうか、掃除機か、掃除機だね、そのモップがけしつつ同時にチリなども吸いこむ大きな掃除機をかけながらにたにたしているのを見た。たぶんだれも見てないと思って、つい、にたにたしてたんだね。ごめん、見てしまったよ。うれしそうだった。うん、気持ちわかるよ。そう思った。


 うおーん、と鳴る大きな機械を動かすのは、愉しいのである。ときどき、モーターの振動にまじって、ジャリッジャリッてチリを吸い込む感触が腕を伝ってくるのは嬉しいのである。


 そんな掃除機がけの少年も100年後には白骨である。いとをかし。