岩尾さん

 午後、仕事で移動中、小一時間ほど暇ができたので、公園のベンチでタバコ吸ったりなんかして時間をつぶした。こういうとき、ふだんは喫茶店かファミレスに入るんだけど、すでにコーヒーを飲み過ぎてお腹タッポンタッポンだったし、ちょうど雨も上がったところだったこともあり、外でダラーッとしようと思ったのだった。
 したらば、ごっつい体格をした、すね毛を生やした女子高生が園内に歩いてくるではないか。肩のあたりがガッシリした感じで、顔のつくりもたくましい女の子が、微妙にフェミニンな仕草と表情をしたりするのに、私は実のところちょっとぐっときっちゃたりすることがないこともないのだが、やって来たのはちょうどそんなふうな娘。で、もひとつ気になったのが、どっかで見たおぼえのある顔なのだ。
 ま、もったいぶらずに言ってしまえば、私が出くわしたのはテレビ番組かCMのロケで、ごつい「彼女」は女子高生の制服姿に女装した男性の芸人さん。噴水の前で7,8人の本物の女子高生(と言っても、どこかの芸能事務所に所属するタレントなんだろうけど)に囲まれて歌をワンフレーズくちずさむ、という感じのシーンを撮影していたのであった。
 その芸人は、撮影スタッフから「イワオさん」と呼ばれていた。そう、たしかこの人「岩尾」という姓の人だったよ、「顔の不細工さ」をネタにした漫才コンビの片割れ。というところまで思い出したのだけど、なにせ私はもう2〜3年テレビをまともに観ていない。コンビ名までは思い出せない。
 ところで、こうやってネットに接続して文章を書いていて不便だなあと感じるのは、この「思い出せない」とか「忘れた」といったことを書きづらいことなのだ。忘れたならググってしまえばいいわけで、「何だっけなあ?」などと書くのはあまりにしらじらしいのだ。そんなわけで、グーグルで検索しましたよ。フットボールアワー岩尾望さんという人だそうです(Wikipedia)。
 それにしても、女装した彼は、セクシーとは言わないけど、ちょっとだけチャーミングというか、かわいらしかった。やれやれ、なんてこった。