Brian James Gang

BRIAN JAMES GANG

BRIAN JAMES GANG

 いちいち新譜の情報なぞチェックする習慣がなくなって久しく、最近になるまで気づかなかったのだが、Brian James の新バンドが始動していたらしい。ブライアン・ジェームス・ギャング、だそうです(→公式サイト)。ギャング、だって。
 Brian James とは、1970年代後半のロンドン・パンクを牽引した代表的バンドのひとつ、The Damned の初代ギタリストにしてリーダーだった人。あまりのワンマンぶりに他のメンバーから総スカンを食らったとか食らわなかったとかで脱退。ダムド脱退後は、The Lords Of The New Church というバンドでギターを弾いている。
 その後、1990年にソロ・アルバムを1枚出したきり、レコードが出ていなかったので、「どうしているんだろう」とときどき気にしていたのだ。なにしろ、とびぬけて才気あふれた演奏をする人なのだ。
 下に貼ったのは、YouTube で見つけた PV。この動画は公式サイトからもリンクされている。ということは、ファンが無断でアップロードしたものではなく、アーティスト側みずからプロモーション用に上げたということですね。こういう YouTube の活用はどんどんやればいいと思う。
 曲は、New Rose。ガンズンローズィズもカバーした、ダムド時代の名曲。作詞作曲ともブライアン。

YouTube - New Rose - Brian James Gang


 歌ってギター(テレキャスター)弾いてるのが、ブライアン・ジェームスその人であります。ツイン・ギターのバンド編成でありますが、高音を強調したシュワシュワやかましいノイジーな方の音がブライアンのギター。
 一般的に歳をとると高音方向の聴覚のレンジが狭まるそうで、エレキギターの音などが耳障りに感じるようになるのだと言う。しかし、ブライアン、50過ぎてこんなぎらついた高音ギターかき鳴らしてる。相変わらず健在のようで、ファンとしてはうれしい限り。
 もっとも、この PV ではほとんどカッティングに徹していて、彼独特のフレーズを少ししか聞けないのが残念ではある。この人の速弾きプレイ(といってもヘビメタの人がやるような複雑華麗な速弾きではなく)狭い音幅でひきつけの発作を起こしたかのような激しいプレイは絶品。また、単純なフレーズながらチョーキングとビブラートの妙で巧みに味付けする手さばきは見事なのである、この人は。
 というわけで、音質はあまりよくないけど、奔放にギター弾きまくりの Lords Of The New Church 時代のライブ映像2本にリンクしておく。


YouTube - Lords Of The New Church - Lil Boys Play With Dolls (1983)
YouTube - The Lords of the New Church - Russian Roulette - Live 1982


 "Lil Boys Play With Dolls" の方は、高音ノイズで模糊模糊しているのだけど、そんな雲間から輪郭の比較的はっきりした音がときおり顔を出す。その瞬間安堵するのもつかの間、また模糊模糊したノイズの雲に覆われて、感覚を麻痺させられる。余計なお世話でしょうが、コブク○とか聴いて「癒やされる〜」とかほざいてるやつの脳天に、こういう音をたたき込んでやりたいものです。
 "Russian Roulette" はもう少しクリアでシャープな音で弾いている。たった1本のギターでこんなにも重層的な音を出せるということに感心する。もちろん、ベースもボーカルもいるわけであるが、ギターだけでひとりアンサンブルを奏でているおもむきがある。ほぼ常時複数の弦が鳴っている状態であるものの、その和音のなかから1つの、あるいは2つのメロディが浮き上がってくるような、ちょっと見当はずれな言い方かもしれないけれどジミヘンを彷彿とさせる演奏。
 以上2曲が収録されているのは、下のアルバム。

Lords of the ...

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