他人の「手柄」を自慢するオレ様ぶり

 電車ん中に掛かってた某予備校の広告。高校生役の男の子のにこやかな全身写真。上にでかでかと、その男の子の声として「なんで私が東大に!?」というようなコピーがのっている。
 「なんで私が……」って、それや坊ちゃん、きみんちがきみの教育に多大な投資ができる程度のブルジョアもしくはプチブルだったからってこともあろうけど、まあきみが受験勉強よくがんばったちうことも大きいんではありませんか。「私のごときアホーが東大に入れちゃうなんて、信じられなーい」みたいな感じで卑屈に謙遜する必要は、ないのでございませんこと? 少なくとも、結果に見合うだけの労力をかけたことは自分でわかってるだろうからして、そんなびっくりすることじゃありませんのじゃなーい?
 まあ、当然これは予備校側が作った広告なのであって、そう考えるとその「オレが入れてやった」と言わんばかりホンネをかくしもしない、堂々としたコピーに感心いたします。おそれいりました。
 たしかに、予備校としては、宣伝効果を考えたときに「合格実績」をアピールせざるをえない事情もあろうから、東大合格者も出てますよ、なんてことをことさらに言いたい気持ちもわかるですけどねえ、それにしても、生徒に「なんで私が東大に!?」なぞと言わせてる広告うつなんざ、すげえセンスだな。
 「オレ様のおかげだ」なんてホンネで思ったとしても、そこはかくすとこだと思うんだけどな。見事にハミチンしてるあっぱれ。