ウンコぐらいで騒ぐな
むかし住んでたところの近所にいけ好かないババアがいた。どう「いけ好かない」のかという説明は、どうせ私の主観的・感情的記述にとどまるに決まってるので割愛するけれども、ある朝、そのババアの家の前にウンコが落ちていた。
そのウンコがまた、とぐろ巻いてて量もふんだん山盛りで、とまあ本格的なしろものであった。ババア、それを見て「だれだ、こんなところにウンコしたのは! どう見ても犬や猫のものじゃないわね。人間のだよ、これは」と怒り狂っていた。たしかに、量の点でも、またそれが一ヶ所にかたまって盛りつけられている点からも、散漫な排便習慣しかない犬などには到底なしえぬ所行であることは明らかで、するとババアのたまう通り下手人は人間にちがいなく、しかも人目に付きやすい家のまん前でわざわざことに及んだという点からして、明白な悪意がかぎとれるわけで、私はおおいに溜飲を下げたのであった。念のためことわっておくが、やったのはオレじゃないよ。
ところで、防衛大臣の事務所にカミソリ入り封筒が届いたんだそうである。これを受けての総理大臣の声明がふるっている。
「政治活動を行っていると脅かしの手紙とか、カミソリを送ってくることもある。しかし、決して屈してはならない。言論に対する弾圧は、断固として許すわけにはいかないし、負けてはならない」*1
だそうだ。自分は職権を利用してNHKに圧力をかけておいて、たかがカミソリごときになんて大げさな。国家の官僚機構の頂点に立つ人物が、どうしてそんなことで大騒ぎするかね。官房長官は「民主主義体制に対する挑戦」などと言っている*2。カミソリ一枚で「民主主義体制」に「挑戦」できるなら、俺だってやってやるぞ。ああ、やってやるさ。一発、当てたいんだ。
つうか、俺だったら首相官邸の前でウンコするね。そしたら、「断固」とした安倍くんのことだから「言論に対する弾圧だ。決して屈してはならない」と大騒ぎしてくれるかもね。
まったくネオリベ国家はひどく強権的だね。