国民に権利なんて要らねえよ
言うのはどうも照れくさいのだが、どうも根は右翼なんである。おらぁ右翼なんだぜコラ、街宣車で乗りつけてやるぞこの野郎。もうね、わたくしは子供の頃からクソ日教組どもの偏向教育によって、自虐史観を植えつけられてきたのでありますよ。
私の育った町の近くにあの「泣ぐコはいねぇが」のナマハゲで有名な男鹿半島というところがございまして、寒風山というのがあります。夜景の美しい所です。半島から秋田市に向かって湾曲した海岸線が伸びているわけでありますが、こういうところはどこも夜景がすばらしいのですね。夏でも冷たい風の吹くところで、強い日射しを浴びながら激しく吹く風に冷やされて、芝生の丘から日本海をのぞむのも、心地よいものです。
展望台には、こういう田舎の観光スポットの例に漏れず、地域の歴史を記した年表が掲げられている。これも日教組のせいであろうが、まともに歴史を学ぶ機会がなかったもので、ちゃんと記憶していないのだけど、ずーっと古い時代に「エキゾチックな」（というふうに自虐史観に染まった少年の目には映る）名前のエミシの将軍が大和朝廷の軍勢をうち破った、という歴史が誇らしげに書き込まれていたと思う。僕もなんか誇らしい気分になったものだ。ところが、ずーっと年表をたどっていくと、しばらくはとりたてて誇れるような記述がなく、昭和にたどりつくと、なんと「浩宮さまご来館」だったか「皇太子殿下*1ご来訪」だったか、どっちだったのか忘れたが、いずれにしても屈辱的なことが書いてある。当時、まあ子どもの時分でありますから、日教組や左翼どもの悪行の噂など耳にはいることもなかったのだが、漠然となんか悔しいなあ、と思いました、という記憶がうっすらとある。ガキのころから、具体的な現実よりも観念的な夢想をする子だったのだろう。
そういう体験というのが、いまも妙に心に残っているものだから、「日本史」や「日本の歴史」などという侵略者の側からの自虐史観は、21世紀を担う子どもたちに教えるべきでないと思う。やっぱり、私たちの祖先を誇れる歴史教育でなければならないよね。だいたい大和朝廷がどうしたとか、鎌倉幕府や徳川幕府がどうだとか、あのいまわしき廃藩置県や学制だとか、ぜーんぶ異国の歴史じゃねえかよ。僕たちは、学校では、たぶん左翼教師どもが教育現場を牛耳っていたせいだと思うんだけど、自国の歴史をほとんど教わらなかったのだ。左に偏向した歴史教科書には、なにかひとつでも秋田のことが書いてあっただろうか。
わが祖国にも、いろいろと誇れる歴史があるはずなのだ。金足農業高校が甲子園のベスト・フォーに進出した（あの桑田・清原を擁したＰＬ学園*2に善戦しながら惜敗した）とか、落合博満は史上最強の右バッターだ*3とか、石井浩郎を覚えているかい？ だとか、長崎宏子選手は僕んちの近所だったんだよとか、桜田淳子はどこかの宗教にはまってから顔つき変わったよねとか、友川かずきはかっこいいぜとか、よく知らないけれど、米づくりに苦心してきた名もなき先達の業績だとか。そう言えば、小学生の頃、一時期千歯こきなどの農具が学校に展示されていたことがあったなあ。きっと正義の味方、右翼教師たちが祖国の農民たちの工夫と苦労の歴史を僕たちに伝えようと企画してくれたのだろう。右翼、えらい！ コラ左翼ども、右翼の爪の垢をなめろ！
祖国を棄てて関東なんぞにいる私が言うのも勝手なものですが、独立しませんか、日本から。もしくは、日本国民どもに対して、われら先住民としての権利を主張しませんか。そんな妄想を今夜もほろ酔い加減でいたしておりますのは、たぶん左翼新聞たる朝日や産経は報じないのだろうけれど、こんなしらせを聞いたからなのです。以下、鈴木宗男代議士の日記から引用いたします。
●ムネオ日記(２００７年１０月３(水))
鳩山幹事長は福田総理の所信に対し総合的に質問しており、最後にアイヌ民族の先住民族としての権利の確立を求めていた。この件は私が質問主意書でも何回か質問しているが、福田総理は「先住民族の定義がない」と全く検討する姿勢を見せなかった。国連で先住民族の権利宣言が採択されているのにも関わらず、聞く耳持たずの血も涙もない官僚的答弁では、必ずこの先国民が黙っていないだろう。
鳩山さんってふにゃふにゃした雰囲気でなに考えているのか分からない人だけど、いいこと言うなあ。宗男氏も国家権力に弾圧されてから、アイヌの権利を積極的に主張するようになったのよね。
アイヌだけでなくて、東北蝦夷も熊襲も江戸っ子も京都人も大阪人も、日本国民どもに向かって、先住民としての権利を主張しようではありませんか。先住民じゃない人は、移民としての権利を主張すればよい。明仁さまにおかれましても、すでにご自身のルーツのひとつが朝鮮にあることをお認めになりあそばされなさったのでございますから、もう国民の象徴はおやめになって、移民と先住民、双方の象徴として君臨すれども統治せずってことでよろしいのではございませんでしょうか。この世には、じっさいのところ、先住民か移民しか存在しないのだから。
