クラッシュの映像

 YouTube に軽くハマっておるでございますよ。
 このサイト、開設されてちょうど1年くらいということらしいのですが、見たいミュージック・ビデオをかなりの確度で見つけることができます。ほんにありがたいことでございます。


http://www.youtube.com/


 検索ボックスに "michael jackson thriller" などと入れて、search ボタンをクリックいたしますると、出てくるわけです。どこかのユーザーさんがアップロードしてくれたなつかしい動画が。
 いやあ、マイケルかっこいい。かっこよかった。いま観てもやっぱり悪趣味で壮大にくだらない作りのビデオですが、そんななかでこそ輝くマイケルさんなのでありました。


 あと、ついついくり返し観てしまうのが、ザ・クラッシュのライブ映像。


I Fought The Law
Train In Vain
Police And Thieves


 I Fought The Law は、数年前にどこかの自動車のテレビCMに使われていた曲。3枚組のボックスセットのCD(ASIN:B000666W6E)にも、同じライブの音源が収録されています。


 Train In Vain は、id:lever_building:20060122 のコメント欄でひつじいぬくん(id:sweetsdogさん)に書き込んでくださった曲。ほんとうに素晴らしい曲です。
 この曲を語るには、逆接の接続詞が最低2つは必要です。クールでありながら、しかしそわそわ感をかもしだすドラミング。しかし、そうして浮き足立ちながらも、強迫的に反復されるギターとベースによるパターン。つまり、頭は冷静で、しかし心は浮き立っており、しかし体は進もうとするやいなや引き戻されるのだ。そして、しかし、あくまでも軽快さを失わない。女の子にふられてぐちぐち言ってる歌なんですけどね。


 3つ目にあげた Police And Thieves。
 小規模の小屋で演奏している。これはかなり初期の頃、ドラマーの Topper Headon が加入する前の映像と思われる。ドラムたたいているのは Terry Chimes じゃないかな。なんて書いて、違っていたら恥ずかしいんだよね、こういうのは。
 映像がおもしろい。カメラは、ギャラリーのひとりの少年を何度も映すのですよ。そのボブ・マーリーのシャツを着た少年は、初めぽつんとつまらなそうに突っ立ているんだけど、しだいに小さく体をゆすりはじめ、しまいには顔を紅潮させてぎこちないながらもノリノリになっている。
 ぼくぁ思うのだけど、結局のところロックというのは、ひとりで聴く音楽なんじゃないだろうか。たとえ、熱狂する観衆のまっただなかで、自分もそのひとりとしているのだとしてもである。そういうわけで、その少年(当時少年ということは、いま50代のおじさんですね)にシンパシーを感じて鑑賞した。そぐわない場所にひとり放り込まれてとまどっているようにも見えながらも、ステージを凝視して心底楽しんでいる風の少年に。
 あと、ジョー・ストラマー、やっぱかっこええ。この演奏では、彼は発声する前に口をアワアワ動かしておりまする。マイクに向かってひとしきりアワアワやってから声を出す。歌にかぎらずどんな表現であれ、その声を出す前のアワアワに象徴されるものに、私は惹かれるのであります。躊躇し逡巡し「エイヤッ!」と声を出すしかないのですね、私たちは。故ストラマー氏のそのアワアワを絵として見られたことに、満足いたしました。何言っているか分かんなくなってきたけど。