ウクレレ記法

 はてなさんが「ウクレレ記法」なるものを実装してくれたみたい。


はてなダイアリー日記 - ウクレレのコード譜を簡単に表示できるウクレレ記法


 どういう使い道があるのかしらね。
 ギター譜というのは山ほど出回っている一方、ウクレレ譜はあんまりないんだろう。その点で、コードを打ち込むだけでウクレレでの押さえ方を表示してくれる今回の機能は、便利ではあるね。
 さて、実際にこの記法を使って、何か書いてみよう。簡単そうなところで、Wham! の "Last Christmas" なんてよいかも。歌い出しのところだけ書くけど、続きも全部同じ。この4つのコードの循環で出来てる曲なので簡単!(歌詞はこちらから拝借しました)



Last Christmas I gave you my heart
Dadd9
But the very next day you gave it away
Bm
This year to save me from tears
Em
I'll give it to someone special
A


 おもしろいのは、「移調機能」というやつ。一番最後に表示されている "+1" とか "-1" のボタンをクリックすると、それぞれ移調したときのコードの押さえ方を表示してくれるという仕組み。
 たとえば、「"Dadd9" は押さえるのに難儀だ」とか、「歌うにはキーが高すぎる」というんで、キーを "D" から "C" に変えてみようかしら、というときは、上の"-2" をクリックする。すると、あららすごい。これなら弦を押さえるのも楽そうだ。
 なんてふうに使えるのだね。


 ところで、ウクレレってよく知らないんで、ギターに比べて融通のきかない楽器かと思っていたけど、Ebのような中途半端なコードもちゃんと出せるわけね。弦が4本しかないから、押さえるのも比較的簡単だし。これなら、キーを変えずにたいがいの歌の伴奏が可能なんだろう。
 ただ、そういった弾きやすさは別にして、「分かりやすさ」はどうなんだろう。
 ギターというのは、実は非常に「分かりやすい」楽器である。コードというのは、たくさんあれど、そのほとんどは「E, A, D, C, G」いずれかのちょっとした変形として理解できるからだ。だから、このたった5つのコードについて、どの弦が基音で、また3度で、5度であるのかを知ってしまえば、それ以外のコードもその延長で「理解」できる。いちいちコードを暗記する必要なんてないわけだ。「E はこうして押さえるんだから、F#m はここを押さえればよい」というようなことが、容易に導き出せる。
 私がはじめギターを教わった先輩は、そこらへんの教え方がうまかった。彼は、まず E と A の2つのコードだけ教えるというやり方をとった。つぎに、そのそれぞれについて「マイナーにするにはこうする」「セブンスはこう」「キーを上げるにはこう」ということを私に教えた。次のステップがペンタトニック・スケールを覚えよう、ということで、おかげで1ヶ月もせずにブルーズなどをアドリブで弾くというところまで楽しめるようになった(むろん下手だったけどね)。
 そういうふうにして「全体の見通し」が得られると、楽器の上達は早いと思う。反対に、ひとつひとつのコードについて、いちいちギター譜を参照するということをいつまでもやっているのはよろしくないかも。それだと、譜面を離れて弾きたい曲を自分で弾けるようになるの時間がかかるだろうし、何より飽きてしまうのではないかと思う。各人によって性格や適性の違いはあるかもしれないが。
 ウクレレの場合も、ギターほど単純にいくかどうか知らないけど、多様なコードを、いくつかの基本コードからの派生として体系づけることは可能だろうと思う。そういう理解を得つつ、このはてなの機能を使って練習すれば、短期間に基本的なコード弾きはマスターできるんじゃないだろか。
 そういうわけで、いい機会だし、時間ができたら私もやってみようかな。ウクレレは以前 Hard Off で激安の中古を手に入れたのだけど、陥没してるフレットがあって使い物にならない。やっぱこういうのは、ちゃんと楽器屋で買うべきだと思った。