David Bowie──Space Oddity
「日本人宇宙飛行士」と称される野口さんという方が宇宙遊泳をしているそうなので、今日はボウイのスペース・オディティを取り上げてみた。
この曲が発表されたのは1969年のことで、アポロ11号の月面着陸が報じられた年にあたる。
宇宙遊泳中(月面ではなく)のトム少佐と、地上の管制官との交信を、ボウイが歌うという構成になっている。一人二役。
地上(新聞記者)の熱狂を伝え、トム少佐の偉業をたたえる管制官に対し、トムは瞑想的なメッセージを返してよこす。
僕はいま漂いながらおかしな気分になっている。
今日は星々がとても風変わりにみえるんだ。こんなところで
ブリキ缶に腰掛けているんだよ
世界から遠く離れて。
地球は青く
僕にできることはなにもない。10万マイルも彼方にやって来たのに
僕はとても穏やかな気持ちだ。
たぶん、宇宙船はこれから行くべきところを知っている。
とても愛している、そう妻に伝えてくれ。
→歌詞原文
あわてて呼びかける管制官。しかし、その声にかぶさるように、トムはゆっくりとした口調で(そういうふうにボウイは歌っている)返す。
僕はブリキ缶のまわりを漂っている
月から離れて。
地球は青く
僕にできることはなにもない。
そして、ゆっくり幕切れ。